5月、中学校の参観日にいくつかおじゃましました。
ひとつの中学校で、2年生が職業調べの発表をしているのをちょうど拝見することができました。
自分がなりたい職業と、適性検査で導かれた職業の一日のルーティンや、仕事内容や苦労する点など、ことこまかに調べていてみていてとてもおもしろかったです。
あとで美容師について調べたと言っていたお子さんがおられて、過去何人か塾のおうちの人が美容師の方がおられたのですが、懇談の時のいろんな話に意外にお仕事の話がなかなかでてくることがなく、自分も通っているけれど、どんな仕事か実際には知らないなあ。と思い、自分が通っているところの美容師さんに尋ねてみました。
いまお願いしている美容師さんは基本寡黙で、休日もドライヤーの研究をしているくらい仕事熱心なインドアおじさんです。
基本わたしが延々話すしょうもない話を聞いて「ふっ。」って笑ってくれる感じの人なのですが(たまに「ああ、それはほんとにおもしろいと思いますわ。」と言ってくれる優しさもあります。)、若いころはなかなか厳しいお店で働いていたという話をしてくれたので、共有します。
美容師に向いている子は「やりきれる子」です。
自分が働いていたところが特に厳しかったのかもしれないですが、自分は25歳になるまで、午前2時くらいまで家に帰れませんでした。
仕事が22時に終わり、先輩たちはそこで帰るんですが、研究会と称して毎日カットの練習をしてました。
食事もすべてが終わったあと。
練習に使うウイッグの費用も自分持ちです。
次の週にテストがあるんですよ。
タイマーを持った先輩たちに技術を習得しているか、時間内にしあげられるかチェックされる。毎週それのくりかえし。
技術を習得するまで、地獄が終わらなかった。
何人もやめていきましたよ。やりきれた人だけが残りました。
生き残るには、やりきることです。
と戦場の唯一の帰還兵のように語られており。
軽い気持ちで聞いたのに
えっごめんなさい、そんなトラウマを思い出させて….
そこまでの修練を!!!とびっくりの話でした。
塾の子にはさらに何人か話したかなと思うのですが、語録。
自分は小学校3年生で勉強をやめました。
きっぱりと頑張るまいとおもったきっかけがあったんです。
それは“九九”で一番になれなかったこと。
それまでのクラスではいつも勉強は一番でした。
一番じゃなきゃ意味がないと思ってたんですよね。
そんなことないのに。
誰にも、家族にももう勉強がんばるのやめた。と言わずに、それから勉強完全にやめました。
でも今、くそっと思ってます。
勉強して、美容師を選ぶのと、勉強せずに美容師を選ぶのとは全然違う。
自分はもうこれ以外の職業になかなかつけないと思います。
まじめにあのときなんで勉強やめたのかと思ってますね。
とも言われていました。
美容院に行くのもおっくうでたまに自分で髪を切っていたわたしが、指名予約お願いしたいな…と思うくらいの腕をお持ちなのに、勉強に関しては、やっぱりしたほうがいいと大人になって思うのくらいだから、やっぱりしたほうがいいんですね。
もし勉強でなくても、その時々に、興味を持ったことに没頭して、折れずに、やりきる力が大事なのかなと思います。
1番になれなくてもくじけず、1番になることを夢見て努力していく日々を、大切にしていきたいです。
学力は、ここではないどこかに
すぐ飛び立ちたいと思ったときに助けになる翼
みたいな話を、以前どこかで見かけました。
これだ!が見つかった時、自分の努力でそこに届くまでの力はつけられるよう、いろいろはたらきかけたいなと思いました。
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